高次脳機能障害とは
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高次脳機能障害とは、簡単にいうと、事故などによって、脳内に目に見えないけれども小さな傷が残ってしまい、それまでの被害者とは何かが違った状態になったときのその障害のことをいいます。
例えば、事故によって頭部を打ったり、麻酔や溺水によって脳に酸素がいきわたらなくなったりした後、認知障害(注意障害・記憶障害・遂行機能障害・思考判断の障害・知能低下・コミュニケーションの障害・情報処理の容量と速度の低下)や社会行動障害(依存症や退行・感情コントロールの低下・欲求コントロールの低下・対人技能拙劣・固執性・意欲発動性の低下・脱抑制)のほか、失語・失行・失認や半側空間無視、半盲、視野狭窄、片麻痺、病識欠落等の心身のさまざまな面で障害が残ってしまうことがあります(どの症状が残った状況までを高次脳機能障害と呼ぶかは、医学や行政の世界で若干の差異があります)。
ふつう事故にあった場合、最初は命を取り留めたことで家族もほっとし、病院を退院します。そして退院から時間があまりたっていない段階では、元の被害者とは何かが違っても、事故のショックが残っているくらいにとらえて、そのうち治るだろうと考えます。
しかし職場や学校に復帰して時間がたっても元のようにならず、むしろ前にできていたことができなくなったことにショックを受けてしまいます。
ただし、ちょっとした会話や単純な作業が短時間ならできることも多いことから、その人と長時間一緒にいる人でないと、その異常にはなかなか気づきません。
高次脳機能障害の患者の人はこのようなケースが多いのです。
自賠責においても平成13年1月に高次脳機能障害の専門部会ができ、少しは実態に近い等級が認定されるようになってきました。
しかし、どの病院でリハビリや検査を受け、高次脳機能障害に精通している医師の診察を受けて、後遺障害診断書を作成してもらえるか、また家族がどれだけ当事者の状態を理解できているか、弁護士に依頼してもその弁護士が高次脳機能障害についての経験と知識が十分あるかどうか、等によって認定される等級に差が出てしまいます。
高次脳機能障害の被害者は、詳しい病院・詳しい医師・詳しい弁護士や理解ある裁判官に恵まれるという幸運を得ないと実態に即した救済が難しいのが現状です。
